VS暗黒使徒ヨハン戦の「攻撃力16000」について
まず、カードwikiにも書いてありますが、実際にはあの展開でサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力は16000にはなりません。
サイバー・エンドがフィールドを離れた時点でパワー・ボンドの効果は消えてしまうので、帰還したサイバー・エンドに及ぶのはサイバネティック・ゾーンの効果のみとなり、攻撃力は8000止まりです。
しかし、しかしですよ。
あのタイミングで、あの展開で、スタッフは何の意味も無くそんな単純なOCGルールミス、あるいはルール無視をするのか?
ファンとしては、あんまりそう思いたくはないわけです。
しかも、それを見たヨハンの反応。
「攻撃力16000の、サイバー・エンドだとぉぉお!?」
・・・そりゃあルール無視してるんだから驚きもするよね!
・・・という気にもなってきます。
・・・・・・・・やっぱりスタッフは、意図的に、故意にルールを無視したんじゃないか?
じゃあ、何故そんなルールまで超越した攻撃力が出せたのか?
これは、そういう考察です。
VS覇王戦のヴォルカニック・カウンター
TURN-143、オブライエンVS覇王のラスト。オブライエンはヴォルカニック・カウンターの効果を発動して引き分けに持ち込み、覇王を倒して十代を取り戻した・・・ように見えます。
これもOCGでは引き分けにはなりません。
ヴォルカニック・カウンターの効果処理はダメージ計算の次のステップなので、ダメージ計算でライフがゼロになってしまえば、その時点で敗北が決定するからです。
しかし、アニメの展開自体はOCGルールと特に矛盾はしていません。
何故なら、「勝った」(覇王)十代は消滅しておらず、「負けた」オブライエンだけが消滅しているからです。
つまり、オブライエンは覇王十代に「負けた後に」効果を発動した。
その結果、「発動しないはずの効果」によって、十代の中から「覇王」だけを消し去った。
そんなことができたのは、ジムとオリハルコンの眼の力を借りたお蔭、ということだと思います。
単純にオブライエンが勝ってしまうと、多分覇王ごと十代まで消滅してしまうので、本当に紙一重の奇跡です。
このことから、異次元世界ではゲームとしての「デュエルの終わり」が、必ずしもカード効果の消滅とは限らないことが分かります。
そもそもデュエル中以外にもモンスター召喚はできているわけですから、当然と言えば当然ですが。
どちらかが死ぬまでデュエルは中断できない?
覇王VSオブライエンの次の話、エドVSアモンで発覚する衝撃の事実、「どちらかが死ぬまでデュエルは中断できない」。
・・・なのですが、さらにその次の亮VS十代で早速デュエルが中断しています。
じゃあ言ったばかりの設定を忘れたのか?といえば、さすがにそんなことはないようです。
亮VS十代のデュエルは、亮の心臓が止まったせいで中断しています。
つまり、
亮の心臓停止=プレイヤー死亡と見なされた、
と考えていいと思います。
デュエル中断不可能のルールは、いわゆる「死んだふり」ができれば抜けられる穴だったということです。だからってそうそうできるものでもないですが。
しかしこの条件は、亮にとってはこうなります。
「心臓が止まったらデュエルを強制終了されてしまう」
ヨハン戦で亮が(持ちこたえてくれ、オレの心臓・・・!)と言っているのは、この条件を意識していたせいだと考えることができます。
生と死の狭間で
亮の心臓が止まれば終わるデュエル。
亮の体は、暗黒使徒ヨハンが(限界を超えて、どこまで持つかな?)と言っているあたり、本来とっくに終わっているような状態と考えることができます。
亮はそれを、精神力だけで維持してきました。
しかし、サイバネティック・ゾーンを発動した亮は、とうとう立っていられずに膝をついてしまいます。
このターンのエンドフェイズにサイバー・エンド・ドラゴンは帰還しますが、それと同時に、亮はパワー・ボンドのライフダメージを受けなければなりません。(アニメ効果のパワー・ボンドだとダメージが無い可能性もありますが、多分このときは既にOCG準拠と思われます)
そのとき亮のライフはゼロになり、亮は消滅することになります。
しかし、それを待たずとも、もう亮の心臓は止まる寸前です。
つまり、サイバー・エンド・ドラゴンが戻ってくるのは、「デュエルのエンドフェイズ」であると同時に、亮の「命のエンドフェイズ」ということになります。
亮の心臓が止まるのは、(この時点では)ヘルカイザーとして使っていた衝撃増幅装置による身体ダメージ、パワー・ボンドのダメージと同じ「力のリスク」です。
・・・だんだん混乱してきませんか?
私は混乱してます(まて)
そう、つまり・・・
攻撃力16000は、一種のバグ
なのではないかと思います。
亮が命の瀬戸際にいたことで、あるいは「デュエル」と「現実」の状況が限りなく近づいていたことで、「サイバネティック・ゾーン」の効果は「(肉体の限界による)デュエルの強制終了後」の発動と見なされ、「正規のデュエル中」に発動した「パワー・ボンド」の効果が永続していた。
つまり、生と死の狭間で、「デュエルのルール」と「異次元世界のルール」が二重になって出た数値、なのではないかと。
そしてそれこそが、亮が起こした「瞬間を永遠にする」奇跡、だったんじゃないか、と。
「攻撃力16000の、サイバー・エンドだとぉぉお!?」
そりゃあルール無視してるんだから驚きもするよね!
この次の話で、三沢は「この世界では精神と物質がひとつにつながっている」と発言します。
これは亮のデュエルを観察した結果出たセリフではなかろうかと思います。
そしてそういう布石があったから、十代はユベルに超融合で融合するのは「オレとお前の魂だ!」なんてルール超越発言ができたのかもしれません。
おまけ:サイバー流漂着
以上のような感じで、亮は「デュエルで負けたから死んだ」わけではなく、「心臓が止まったから死んだ」と考えると、何故亮だけ帰還の仕方が違ったのかは説明できる気がします。
他の仲間達は、実は死んだわけではなく、ユベルによって他の次元に幽閉されていただけでしたが、亮は多分「本当に死んだ」。でもその分、ユベルに利用されたりはしなかった、と考えることができます。
万丈目たちは、精神に引っ張られて肉体(物質)がユベルの手の中に落ちています。
でも亮は、肉体(物質)が崩壊した・・・だけ、です。多分、精神は崩壊していません。
あの世界では、精神と物質はひとつにつながっています。
十代が願えば何度でも蘇るさ!
みたいな感じだった可能性が高いです。
結論:精神だけになった亮は、次元の狭間に幽閉された仲間達と同じ場所にはいなかったので、帰還が別ルートだった。
ついでに、体はそこらへんの物質から適当に再構成したんだと思いますが、そのときに「衝撃増幅装置の影響」が無かったことになって、「裏デッキのせい」だけが残ったんじゃないかと思います。
チートですね!
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