TURN-117 決戦!十代VSプロフェッサー・コブラ
■本放送:07/01/04
■脚本:吉田伸
■絵コンテ:辻初樹■演出:Lee Kyoung Soo■作画監督:Lee Kyoung Soo
127やってたらアモンとエコーの回想で個人的に肝心なところがなかったので!

■Bパート

(閉鎖されかけたシャッターを身を挺して止め、
 十代たちの進路を確保するオブライエン)

    十代:お前は、オレ達の敵なんじゃ!?
オブライエン:世の中には、間違った出会いもある…。
    十代:オブライエン…。
   明日香:十代、早く!
オブライエン:行け!
    十代:すまない、恩に着るぜ!
オブライエン:今度会うときは、まともな出会いをしよう!

    十代:オブライエン…っ!
   明日香:十代…。
  翔&剣山:アニキ…。
   ヨハン:十代、大丈夫か。
    十代:許さねぇ…許さねぇぜ、コブラ!


「出会い」使用シーン発掘してみた。
十代は仲間と認識した人が傷つけられると超怒る。
ここは「傷つけられた」程度だからいいけど…?

(コブラの元に潜入したアモン。
 しかしユベルの力に足止めされ、
 コブラは十代と闘うために去っていく)

     アモン:油断したな…これが噂に聞く、
         カードに宿りし精霊の力ってやつか…。
ユベル(リック):アモン・ガラム。
     アモン:あ…っ、なんだ…!?
ユベル(リック):ボクの力は、誰にでも及ぶわけじゃない。
         けどね、心の闇を持つ者には、
         大きな力を発揮する。
     アモン:心の闇…?
ユベル(リック):傷ついた心から流れ出る膿が作り出す、
         もうひとつのキミの心。

         ボクには見える、キミの心の闇が。
 ユベル(男性):アモン・ガラム。
     アモン:オレの心の闇…。
ユベル(リック):そうさ、どこにも居場所の無いキミの心の闇。
         キミが命がけの仕事を望むのは、
 ユベル(男性):ただ、死に場所がほしいからだ。


ここでTURN-148が思い浮かんだりするわけですが…。
しかし亮の場合、居場所が無くて死に場所を求めてると言えるのは、おそらく初期ヘルカイザー(TURN-65/ベルトが「K」)の間のみです。電撃デュエルにいそしんでる頃。
でもTURN-83(ベルト「R」)からは、居場所を勝ち取るために闘うようになってるんじゃないかな、と思います。見た目無くすために闘ってるみたいだけど!
この矛盾は、「居場所」という言葉が↓で出てくる「存在価値」に関わってくるせいじゃないかと思います。

ユべル(リック):図星だね。それがキミの心の闇。
         キミの心の奥底にあるよ。
         キミの淀んだ血が作り上げた、
         もうひとつの心の悲鳴が。
         ほら、ボクには見える…。聞こえる…。
(アモンの過去回想)
ユベル(リック):施設を出たキミは、世界屈指の大富豪、
         ガラム家に、長男として引き取られた。
         キミは死ぬほど努力した。
         キミにチャンスを与えてくれた、
         両親の期待に応えるために。
(両親の期待に応えるため努力するアモン。
 その傍らで、エコーは純粋にアモンの勝利を喜んでいる)

ユベル(リック):ガラム財閥の長として、
         ふさわしい人物となるために。だが…。
         両親の心は、キミから離れていった。
(両親に実の子シドが誕生)
ユベル(リック):ガラム財閥の後を継ぐためにもらわれてきた、
         キミの存在はなんだ?その価値はどこへ行った?

(赤ん坊のシドを手にかけようとするアモン
 ドアの陰から見つめているエコー)
     アモン:エコー、何故止めない。
     エコー:アモン…私には、あなたの苦しみが分かる。
         あなたにはできない。
         そんな、下らない人じゃない。

(何も分からないシドはアモンに笑いかける。
 アモンの頬を涙が伝う。)
     アモン:オレはあのときに決めた。オレはガラム財閥のために、
         弟のために、すべてを捧げて生きると。
ユベル(リック):けれど本当にそうかな?
         本当にそう
 ユベル(男性):思っているのか、アモン・ガラム。
         ボクならお前の闇を理解してやれる。


というわけで、アモンもやっぱり、居場所を奪ったはずのシドを守ることに、居場所を奪われ続けることに、新たな存在価値を見出すようになります。亮とは違って、それが居場所を勝ち取る道とまでは、思い切れないわけですが。
「そんな下らない人じゃない」が好きです。
人が悪事を思いとどまる瞬間って、そういう理由なんじゃないかな、と。
人はどうして一線を超えるのか、じゃなくて、超えそうなときに踏みとどまる理由は何か。
それは「健全な自尊心」で、それを育むのが他者からの「愛」なんだろうという。
亮にとっての「シド殺害」は…「デュエルをやめる」と「エドに勝利」、かな?
「それまでの自分の居場所を奪った存在の抹消」なので。
TURN-95で翔が「リベンジなんて、お兄さんがやっちゃ駄目だ!」って言ってましたね。

(コブラの元にたどり着いた十代たち)

  翔:アニキは、さっきデュエルやって疲れてるっす!ここはボクが!
 剣山:そうだドン、オレもやるザウルス!
コブラ:フン、貴様らのような雑魚では意味が無い。
    私が指名するのはただ一人、遊城十代だけだ!
 十代:もちろん、オレだってそのつもりだぜ。
    ここまで来たのは、お前をぶっ倒すためだ!
    オレ達を救ってくれた、オブライエンのためにもな!

ヨハン:十代…。
 剣山:アニキ。


翔がコブラの相手はボクが!って言ってるのに驚いてしまい思わずメモ(笑)
「ぶっ倒す」ってなんだかんだで最初から好きだよね十代(爆)
「オレ達を救ってくれたオブライエンのためにも」がポイントかもしれない。
TURN-136と見比べてみよう、みたいな。

十代:実は、最初見たときから、
   あんたと対戦できることを楽しみにしてたんだ。
   あんた強そうだしな。ワクワクするデュエルをしようぜ!


状況分かってんのかお前!というのが、常識的な突っ込み。
だって十代はこうでなくちゃ!は、視聴者の思い込み。
分からないのが十代、じゃなくて、分からないのが子ども。

追記:TURN-57ではこれ言って亮が負けてます。
ただし、GXでは「デュエルって楽しいはずじゃん」という十代の気持ちの方に重きが置かれていていて、その証拠が最終回と、TURN-34のカイバーマンとのデュエル。
TURN-34のエピソードは、十代に対して、「『楽しくないデュエル』のことは、まだ考えなくていい」と言っていたと言えます。
あそこで相手が「どう見ても海馬」だった理由は、単なるファンサービス以外に、GXの中で誰より「デュエルは楽しい」を信じている十代に、それを思い出させることができるのはGX以外のキャラ、という理由があると思います。十代のラストバトルが遊戯なのと同じ理由。
そして「十代の特別な力」が「精霊」と絡んでるから「カイバーマン」で、つまり「精霊が十代を守った」エピソードでもあるという。ミラクルすぎて困る。


「子どもが大人になる過程」を、GXはものすごく真剣に描いてると思うんだけどなぁ。
子どもって、大人から見たら笑い飛ばしちゃうようなこと真剣に考えたりするけど、でもやっぱり、真剣なんですよ。そこを笑い飛ばさないから、さらっと見る分には爆笑してしまうエピソードが乱発できる…けど一歩踏み込んだら、もう泣きたくなるような必死さと純粋さで満ちている…。

090731
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