TURN-135 十代VS暗黒界の狂王ブロン
■本放送:07/05/09
■脚本:武上純希■絵コンテ:山口健太郎
■演出:山口健太郎/Lee Kyoung Soo■作画監督:Choi Hoon Chul
邪心経典絡みでみんなが何言ってるか確認シリーズ。

■アバンタイトル

 十代:お前の仲間は、オレが絶対に助け出す!そして、ヨハンも…。
    フリードのように、例えこの命を投げうっても、
    どんな犠牲を払っても、オレは!
明日香:十代についていったら、いつか私たちも…。
 吹雪:………。
万丈目:………。
  翔:こんなの、デュエルじゃない…。
 剣山:こんな世界、来なきゃ良かったドン…。

TURN-134の回想(多分・汗)
十代の様子の変化を見て、仲間がひっそり邪心経典にとりつかれていくシーンから。
なにげに剣山って十代の「ミーハーファン」なんですよね。いや、それが悪いって意味じゃなく。画面の向こうのアイドルに憧れてる人代表というか。
TURN-131で剣山は最初は来る気無かったけど、周りの熱意に押されて半ば「仕方ないな」でついてきてるので、最初に音を上げるのは当然でしょう。(追記:よくこれだけ間違った記憶を堂々と(滝汗)ほんとにすみません(土下座)でも結論はあまり変わらない。「他人じゃないドン!」って台詞は→)あれ、ほとんど雰囲気に酔ってたし。(とは言え、そういう「雰囲気に乗って勢いをつける人」もいないと、物事が動かないのも確かだったり。)しかも「フリードの仲間を助ける」ってのは、異世界に来るって決めた時点での完全な「計算外」な上、一応は回避することも可能なわけで。
翔のセリフがTURN-95でも言っててつまり亮もTURN-65で言ったセリフなのがちょっと気になる。

■Aパート

(一人で砦を攻略する十代を、砦の外で待っている仲間達)

万丈目:十代のやつ、何やってんだ、全く。
  翔:なんか、いいもの見つけたって言ってたっす。
 剣山:アニキ、なんかやる気出てきたみたいザウルス。
明日香:でも、ヨハンはともかく、
    フリードの仲間達まで助けるなんて。
    私たちは、ヒーローじゃないし、そんな力も無いわ。
    何か、やる気が空回りしてるみたいな気がするの。
 吹雪:うん。…まぁ、ボクたち、十代くんを信じてついてきたんだし…
    …あいつについていくしかないんじゃないか。
万丈目:いつもそうだ、オレ達は、
    十代のせいで酷い目にあってるのに、
    あいつは何も感じちゃいない!

(万丈目の剣幕にビビるおジャマトリオ、
 同意する翔・剣山・吹雪・明日香、
 思案顔のジムとオブライエン)

途中のおジャマのセリフ略してます。
アバンでセリフがなかった吹雪と万丈目も切れました(爆)
ということは、あの時点では我慢してたけど…みたいな感じなのかな?
吹雪さんの声に突然ドスが効く(「あいつに〜」)ので、ドS吹雪が好きな方は必聴(笑)愚痴になると意外に怖いタイプかこの人?(笑)個人的に、吹雪さんってこういう文脈だったら「彼に〜」って言いそうなイメージがあるんですが、私の思い違いなのか…実はキレてるから口調変わってるのか。
邪心経典の効果なんですが、初期メンバーが冷たいというか、まさに「十代への思いやりをシャットアウトする」効果なんじゃないかと思います。つまり「十代の気持ちも分かるけど」部分が消えて、不安な本音だけ出るから黒くなる。
しかし明日香のリアリストっぷりがすげぇ。こういうところがGXは侮れない…(笑)

     十代:これで次の砦まで、すぐ行けるぜ!
    万丈目:ちょっと待て!
     十代:え?
    万丈目:次の砦にヨハンがいるって決まったわけじゃない。
        今度もいなかったら、どうするつもりなんだ!
     十代:なーに、いなきゃ次を探すまでさ。
        フリードの仲間たちを、
        助けることはできるし、さ。
    万丈目:それでもいなかったら!?
     十代:この世界は広い。いつかどこかで、
        きっと出会えるさ。
はっ!
       (ソニックダックで走り出す)
   翔&剣山:アニキ!?
     十代:じゃ、先行ってるぜ。オレについてきてくれ!
      翔:ちょっと待ってよ!
     剣山:待つザウルス!
    万丈目:〜ったく、ちょっとはオレ達にも相談しろよ!
おジャマトリオ:そーよそーよ!
    みんな:うん。
 オブライエン:ここは敵地だ、バラバラになるのは危険だ。
     ジム:Yes!ついていくしかないようだな。
       (中略)
     十代:(オレは行く。お前を連れ戻すためなら、
         どこまでだって!信じている、ヨハン。
         お前は必ず、この世界で生きていてくれるって!)

十代が楽天的「すぎる」のは、多分後半との対比。
冷静さを保ってるオブライエン&ジムとは対照的に、徐々にバランスの崩れてきた旧メンバーたちです…。

(ソニックダックから振り落とされ、
 十代を追えなくなった仲間たち。
 そして邪心経典の文字が浮かび上がる。)

万丈目:そうだ!あいつ、オレたちをやる気にさせといて、
    一緒にやってきた仲間たちのことを、
    すっかり忘れてやがるんだ!
 剣山:それはちょっと無責任ザウルス!
    なんザウルス、この胸のムカムカは!
    これが人を憎むって気持ちドン!
 吹雪:はぁ…。弱音を吐くわけじゃないけど、
    みんなも一緒に苦しんでるってこと、分かってほしいな。
明日香:今の十代、ヨハンやみんなのためじゃなく、
    自分のために、自分の心の重荷を忘れるために、
    突っ走ってるように思えてならない。

    (中略・はぐれた翔に場面転換)
  翔:みんなぁ〜アニキ〜誰でもいいから助けて〜!
    (中略)
  翔:誰も助けに来てくれないんだ。
    アニキは、どうせ僕なんか、
    どうなったってよかったんだ。


翔のシチュエーションがギャグすぎる。3期で回想除いて浮かれたBGM聞けるのこれが最後な気がするから、そのせい?(笑)
みんなの言ってることは、半分正解半分外れって感じですかね。
Bパートに続く。

■Bパート

    ジム:Hey、十代!
ハネクリボー:くりぃ?
    ジム:Wait。みんなが到着していない。
       途中で何かあったのかも。
    十代:あ…そうか。
ハネクリボー:くりぃ。
    十代:悪いが、引き返して、連れてきてくれないか。
ハネクリボー:くりっ!?
    ジム:What!?みんなのことは、どうでもいいって言うのか!?
オブライエン:行動を共にしている、友のことを忘れるな。
    十代:あ…。
ハネクリボー:くりぃ…。
オブライエン:この次元で、目的を達成するためには、
       みんなの力が必要だ。オレ達が帰ってくるまで、
       ここで待っていろ。
    十代:ああ、分かった。
    ジム:Promise!

ハネクリボーが癒し系。十代と一緒に落ち込み、ジムと一緒に驚き、一番中立なのは精霊なのかもしれない。
ジムの英語間違ってたらごめん(…)なんとなく分からなくても意味が通じそうなところだけ英語にしてる感じですね。当たり前だけど(笑)
十代の保護者・ジムとオブライエン(笑)
しかし、ここで「分かった」っていうセリフ、なんの迷いもなく口にしてすぐ破ってるあたり、破る気満々で言ってるな十代…。
その理由は次の心理モノローグ。

十代:(みんな許してくれ。ヨハンを救い出すのに、
    もう一刻の猶予もない。
    待ってなんかいられないんだ。
    オレは今まで、何も考えずに、
    本能のまま突っ走ってきた。
    今ここで立ち止まってしまったら、きっと、
    二度と走り出せなくなってしまう。
    ヨハンに届くことが、できなくなってしまうんだ。)


「本能のままで突っ走ってきた」から、「今どうしてるか」がちょっと分かりにくいですが…多分、「それ以外のやり方は分からないから、突っ走るしかない」のほうな気がします。もうひとつは「それはやめて頭で考えることにする」…うん絶対違うな(笑)
けれど実は、「自分のため」にデュエルしてた十代が、コブラ関連で「みんなのため(にもなっていた)」というのを知ってしまった時点で、その「本能」には既に霧がかかり始めてるという。…うーん、やっぱり「コブラ」の名前の由来は聖書でイヴにリンゴ食べるように唆した蛇のような気がするなぁ…。
まぁそういうわけで、十代は仲間のことを、「忘れてる」と言うよりは「気にしている余裕がない」。逆言ったら、仲間も邪心経典で同じ状態にさせられてるわけですが。
どうもこの前半後半の十代のありえないテンションの落差を見る限り、前半の「楽天的な十代」には、不安を忘れるため/仲間に見せないための半自覚的な演技も入ってるんだと思います。「信じている」という言葉も、多分立ち止まらないために自分に言い聞かせていた部分もあるんじゃないかと。
…っていうのをここから読み取るって言うのは、いくらなんでも難しいよなぁ…(笑)もうちょっと脚本・演出どうにかならなかったんだろうか。立ち止まって考えないと絶対無理(笑)
ちなみに、4期の藤原で「その笑顔の裏で…」ってのがあるので、この読み取りはこじつけじゃないと思うのですよ…多分。原理は同じだから。

 十代:何故すぐに命を賭けようとする!
ブロン:闘いが我の人生だ。倒した相手の命が我の血となり、
    肉となるのだ。
 十代:つまり、話しても無駄だってことだな。
ブロン:言葉は要らん。
 十代:オレは、ヨハンを救うためなら、
    どんな犠牲も厭わないって誓った。
    それがオレの命でも、お前の命でもな!
    望むならやってやる…!


十代とブロン、噛み合ってないようで噛み合ってるな…。
望まないならやらない。なにげに受身な十代。2期の誰かさんも基本はこんなんでした。TURN-89とTURN-95で☆

 十代:オレの友達を、どうするつもりなんだ!
ブロン:ははっ、今に分かる。
 十代:くそっ…。みんな、今助けるからな。

「オレの友達」って言ってたからメモ。
そしてとうとう邪心経典が発動、「怒」に支配された万丈目が…。

 十代:万丈目ー!大丈夫かー!すぐ、助けてやるからな!
万丈目:あいつ、デュエルをしてるのか。
    …十代の馬鹿野郎!
 十代:うっ。
万丈目:お前、オレ達と一緒に、
    ヨハンを助けるんじゃなかったのかよ!
 十代:あっ…。
万丈目:勝手に一人だけ燃えやがって!
    お前、最初からオレ達のことなんか、
    考えちゃいなかったんだろう!
 十代:ち、違う、それは!
万丈目:お前はそういう奴さ。
    お前の王国には、最初から自分しかいなかったんだよ!
    そんなお前に、友情なんぞを感じて、
    一緒にやる気になっちまったオレ達のほうが、
    馬鹿だったんだ!


万丈目がこれ言う背景に、柄にもなく元気づけようとしたのにスルーされた過去(十代がエドに負けたとき)もあったりするかもしれない 。万丈目はずっと、無意識に「十代が心を開いてくれない」って感じてたのかもしれません。
どうでもいいけど、多分このセリフ回し、武上節なんだろうな。「お前の王国には〜」とか。日常的に使わなそうな長ゼリフ(笑)私は好きです…が、多分少数派(笑)説明ゼリフ度が上がりやすいからねぇ。

ブロン:攻撃してこい。もっと攻撃するのだ。
    我へのダメージは邪心経典を書く血文字の代償。
    そして綴られるページは、あいつらそのものなのだ。
 吹雪:十代くんが攻撃したら、次に消えるのは…。
明日香:そんなの嫌よ。なんで私たちが、
    デュエルのアイテムにされなければいけないの。
 剣山:そうザウルス、アニキのせいザウルス!
    アニキが勝手に、つっぱしるからだドン!

 十代:み、みんな…。
ブロン:(そうだ。もっと苦しめ、悲しめ、憎め、いがみあうがいい。
     貴様らのマイナス感情のエネルギーが、
     邪心経典を通して、あのカードにそそがれる。
     お前らは、「超融合」のカードを目覚めさせる、
     生贄なのだからな。)
 十代:そんな、そんな…オレは…。
    (中略・場面転換ではぐれた翔に)
  翔:ボク、どこまで来ちゃったんだろう。
    きっともう、誰も助けに来てはくれないんだろうな。
    ボクは、今まで何のために…ひどい、ひどいよアニキ。


順番に話すからみんなそう思ってるように聞こえるけど、これ多分、あくまで分担なんだと思います。吹雪は「このままじゃ次は僕たちが…(どうしたらいいんだ)」、明日香は「そんなの嫌よ(なんでこんなことに)」、剣山は「アニキのせいでこんな目に!(来なきゃ良かった)」、翔は「酷いよアニキ(ボクたち、アニキのためについてきたのに)」。
剣山が文字通り「可愛さ余って憎さ百倍」になってる件。こういうファン→アンチっているよね…(遠い目)剣山が一歩引いてる事実が次々と露わに(爆)TURN-64から基本は変わってないってことかな?(十代への思いは翔>剣山)

 十代:ごめん、ハネクリボー。ごめん、スパークマン。
    もう、駄目だよ。もう戦えないよ。

   (中略)
 剣山:アニキ!オレたちを見捨てるつもりザウルス!?
    そいつをやっつけて、助けてくれなきゃ、
    化石になっても憎むドン!
 十代:(どうすれば…このままだと、オレは命を削られ、
     死んでしまうだろう。しかし、奴の命を削れば、
     仲間たちが死ぬ。そんなことをするぐらいなら、
     オレは自分自身の死を…!)

ブロン:ははははは、もう打つ手がないと見えるな。
    しかしお前には、
    安らかな死などという甘い結末は待っていない。
 十代:くっ…。
ブロン:お前は仲間を苦しめ、悲しませ、
    そして憎まれ、仲間の不信の中、
    まだ生きていかなければならないのだ!
 十代:どういうことだ!
ブロン:はっはっはっはっは!

武上さんが書く十代って、えらくかわいくないか…?(笑)
相変わらず剣山が無茶言っとる。というか、「十代が完全に追い詰められました」がこれで分かるのか。あくまで剣山自身は、「オレたちのために負けろ」とは言ってないのは、心に留めておいてもいいかもしれない。TURN-155でも、十代のこの考え方についての翔の気持ちが聞けます。
仲間を(心理的に)失って心が折れるってことは、十代は応援してもらえないと頑張れないタイプ(というか、根性無し・笑)ってことで、それなのに仲間の反感買っても仕方ないことをした十代も悪い、と言うこともできなくはない。できなくはないけど…無理もないよなぁ。仲間はその切羽詰まった十代をフォローできないように邪心経典である意味操られてるわけで、この構図には「悪い人」はいないように作ってある。武上さんええ人や…。
で、その状況を作り出してる「覇王」について、反転基準微妙ですが3期の後半内容にかなり触れるので反転↓
このブロンの言い草と後半の展開見る限り、この世界の「覇王軍」って、全部ユベルの支配下にあるんですかね。TURN-141でもエドと亮が「なんか作為的だ」って疑ってたし、ユベルは十代に最高に苦しんでもらいたかったわけだから、十代が覇王になる前の「覇王」は実在してたわけじゃなく、ユベルが覇王がいるように見せかけて覇王軍操作してたのかなーと。
↑ここまで。後半更新したら内容を移動・変更等するかもしれません。

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