TURN-155 レインボー・ネオスVSユベル究極態
■本放送:07/10/03
■脚本:武上純希
■絵コンテ:辻初樹■演出:Lee Kyoung Soo■作画監督:In Tea Sun
ほんとInさんの絵はかわいい。
最初から覇王十代(金色の目)全開だけど可愛い。
子どもの頃に好きだった絵本を読む心で見るべき3期感動のラスト!
…ではありますが、この感想は「(笑)」が多用されています(苦笑)

■Aパート

 ユベル(女性):フフフ、十代、キミの選んだデモン・ローズが、
         ボクを守ってくれたよ。
      十代:くっ…。
おジャマイエロー:もう、ユベルにダメージを与えるチャンスだったのに。
       翔:よくあそこまで鉄壁の守りを。
         あれじゃ、誰もユベルを傷つけられない!

ユベルをなんとかできるのが十代だけ=ユベルを傷つけられるのは十代だけって書くとなんかER(ry

ユベル(女性):往生際の悪い…ターンエンドだ。
     十代:仲間の力を信じ、最後の最後まで諦めない。
        それがデュエルだ!

「こんなのデュエルじゃない…」とか参照かもしれない。
GXは繰り返し何がデュエルで何がデュエルじゃない(デュエル以外に何かが絡んでるデュエル)かみたいなこと言ってたりするようなしないような。

     十代:オレのターン、ドロー!マジックカード、
        「ホープ・オブ・フィフス」を発動!
        蘇れ!墓地に眠りし、エレメンタルヒーローたち!
        シャッフル、そして2枚ドロー!
ユベル(女性):マジックカードの発動で、マジック・クロニクルに
        またひとつ、魔法力がたまったよ。
     十代:エレメンタルヒーロークレイマンを召喚!(守備)
        レインボー・ネオスの2つ目の効果。
        クレイマンを墓地に送って、ユベル、
        お前の第二形態を消し去ってやる!
ユベル(女性):何!?
     十代:行け!レインボー・ネオス!
        ビヨンド・ザ・レインボーホール!
        見たかユベル!
        これでもうお前には共に闘うモンスターはいない。
        さあ、オレの仲間たちを、オレの前に、
        この次元へ連れ戻すんだ!


ここのBGMはいわゆる覇王のテーマ、亮がキメラテック・フォートレスを呼んだときにもかかってたBGMなわけですが…GXでは正義の味方は悪を脅迫するのが基本らしい(笑)
でもこれ自体は、追いつめて観念しろ!っていうスタンダードな勧善懲悪形式…のはずなのに、誰より悪人面の主人公(笑)そんなGXが好き(笑)

ユベル(女性):フフフ、ユベル・ダス・アプツェリッヒ・リッターが
        この次元から消えたとき、ボクの究極の形態、
        ユベル・ダス・エクストレーム・トラウリヒ・
        ドラッヘが降臨する。
     十代:何…!?
(ユベルの姿が消える)
ユベル(女性):フフフ、ボクは戦闘では決して破壊されない、
ユベル(男女):究極完全体となる。
ユベル(男性):そして戦闘によって発生したダメージをゼロにして、
        その数値分のダメージを相手に与える。
        さらに、ボクと戦闘を行ったモンスターは
        破壊され墓地へ送られる。
   イエロー:そんなぁ!
      翔:これじゃ勝てない…十代!?
     十代:くっ…カードを一枚伏せ、ターンエンド。
ユベル(男性):ボクのターンだ。フフ、ボクはキミを、
        誰の手も届かない遙かな次元に連れていく。
        そこでボクが、永遠にキミの眠りを守ってあげる。


後半で出てくる前世の約束がねじまがった部分のセリフが男性担当だったりする件。

ユベル(男性):バトル。さぁレインボー・ネオス、
        キミの友達を眠らせてやるんだ。
     十代:トラップカード、「アルケミー・サイクル」を発動!
        アルケミー・サイクルの効果で、このターン、
        レインボー・ネオスの攻撃力はゼロになる。
(十代に冷や汗)
ユベル(男性):何…!?ちぃっ!
(レインボー・ネオスが消える)
   イエロー:レインボー・ネオスが、なんでなの!?
      翔:十代の使ったアルケミー・サイクルは、
        バトル後モンスターを除外する。
   イエロー:ええっ!?
ユベル(男性):フン、犠牲はモンスターだけで、
        自分のダメージをゼロにする作戦かい?
        レインボー・ネオスを犠牲にするなんて、さすが覇王だ。
     十代:これで何度目かな。またオレを倒す、
        決定的なチャンスを失ったな、ユベル。
ユベル(男性):何ぃ?
     十代:怖いかユベル。
ユベル(男性):ギリギリのライフを守るしかないキミを
        何故恐れなきゃならない?
     十代:何故?何故なら、お前の言うとおり、
        オレは覇王だからだ。
        お前が何度攻撃してこようが、オレが勝つ!


レインボー・ネオス=ヨハンなんですね分かります。
十代の冷や汗とか、芸が…絵コンテも芸が細かいのよ…。
「仲間を犠牲にする作戦」を確かに実行してるんだけど、それは「十代が仲間を失う」こととイコールで、十代は分かってやってるのよ…。で、そんな作戦を実行できるオレは覇王なんだぜ!みたいな。
ユベルの戯言(たわごと)には耳を貸さずに(←戯言じゃないときは聞いてる。十代が何をスルーして何をスルーしてないか見ても結構面白い)「これで何度目かな」。この声すげぇよ…ほんとKENNさんの演技が最高なのよ…。覇王さまかっこいい(笑)シビれる(笑)
「アルケミー・サイクル」は「錬金術の循環」なので、1期で言われてた錬金術の才能に乗っ取ってるんでしょうね。

     十代:オレは、ネオスを召喚!
        2枚カードを伏せて、ターンエンド。
      翔:十代、がんばれ、諦めるな。
        (中略)
ユベル(男性):キミが勝つだって?
        例え覇王十代だってできるはずないよ。
        フフフ、ここまでよく頑張ったってほめてあげる。
        でもこれが本当に最後だよ!

ネオスは「アルケミー・サイクル」の効果でドローしました、多分。
覇王の力に追い詰められて、本末転倒が加速していくユベルです。

■Bパート

(ミラージュ・シリンダーの効果で
 ネオスの攻撃力分のダメージがユベルに通る)

     十代:どうだ、オレはまだ負けていない。
        仲間たちを救い出すまで、オレの心は折れない!
        心の炎が消えることは無い…!
ユベル(男性):嬉しいよ、
ユベル(女性):十代。
     十代:何…!?
ユベル(男女):キミの心が
ユベル(女性):やっとボクに届いた。
        その憎しみは愛の裏返しなんだね。
        ボクの能力は攻撃で決して傷つかないこと。
        自分は傷つけられずに
        他人を傷つけることしかできない。
        そんなボクは誰の愛も
        受け入れることはなかった…。

     十代:…(寂しげに視線を下にそらす)

このユベルのセリフはものすごくちゃんと聞いてる十代。
ある意味、覇王十代は今のユベルと同じ状態だったんだと思います。
覇王の奥で眠る十代に思いを届けるために、ジムは覇王のライフポイントを削ったわけで、それなら、覇王の力でユベルを攻撃する十代の真意は―?
…いや、実のところ、十代VSダークヨハンとかでも十代が「説得を諦めて」「攻撃を選択」してるので、だいたい分かるんですが(笑)

(フィールドの周囲の雲が渦巻く)
イエロー:えぇ、何!?
   翔:これは…。うわぁ!
イエロー:フィールドが見えなくなっちゃったわ!
   翔:十代…っ!

「ネオスの攻撃が通る」ことは「十代の心がユベルに届く」ことで、逆言えばユベルが十代の思いを受け取ったよ!ってことで、つまりこの雲は二人の心が通じ合った証拠の二人の世界を邪魔しないでね☆雲なわけですね!(爆)
ご都合主義と言えばご都合主義なんですが、ここまで都合にあわせる演出は思いつく時点で凄い気がする(笑)
多分ですが、聞いている側には突然でも話している側にとっては必然という日常会話でままある感じに、前世話スタートです(笑)

      十代:一体何がっ。…これは。
         あ…。あれは。
      王様:ユベル、よく聞け。
      十代:はっ…。
 ユベル(前世):はい。
      王様:宇宙は無より生まれ、光と闇とに分かれた。
         光はいずこかへと消え、闇が宇宙を包み
         多くの命をはぐくんだ。
         しかし、圧倒的な力を持つ破滅の光は、
         いつか優しい闇を侵略するために、
         再び輝き始めるだろう。
         そのとき、光の波動を退け、
         優しい闇を守るための力が必要だ。
 ユベル(前世):はい。
      王様:お前の友は、その心の中に
         強力な覇王の力を持って生まれた。
         その力はいつか優しい闇に包まれた
         宇宙を救うだろう。
         しかし、少年の心が大人に成長するまで、
         誰かが彼を守ってやらねばならない。
      十代:…。
 ユベル(前世):王よ、ボクにその役目をお申し付けください。
      王様:しかし、少年を守るためには、
         誰にも傷つけられぬ硬い鱗の鎧を
         身につけねばならぬ。
         そなたの若く美しい肉体は、
         二目と見られぬ、醜い竜の姿に
         なってしまうのだぞ。
 ユベル(前世):構いません。彼を守るためなら。

      十代:そう言えばあのとき―
―TURN-62回想―
アクアドルフィン:宇宙は命を育む優しい闇の世界だった。
         だが、今宇宙は、破滅の光により、
         滅びようとしている。我々は、その光と戦える
         正しき闇の力を持つ者を探して、
         キミに白羽の矢を立てたんだ。
―回想終了―
      十代:正しい闇の力を持つ者。それが覇王!?

イルカ自重(笑)
ダークネスの宇宙開闢と擦り合わせたい話(笑)
前世の世界と今の世界は十二次元の中でも別次元っぽい…というか、デュエルモンスターズの精霊の世界に見えるわけですが。オネストとかがいるような(笑)
十代の前世は精霊だったのか(爆)
前世のキャストですが、ユベルは女性ユベルの鶴ひろみさん、王様は男性ユベルの江川央夫さん、王子は十代のKENNさんです。色々と意味深なキャスティングです。
TURN-20とか見てたらほんとこの異世界編は、どこまで現実でどこから十代だけに見えてる精霊の物語だったんですか?と聞きたくなります。…いや、じゃなくて、十代だけに見えるはずの精霊の世界に、みんなが巻き込まれたのが異世界編か。うーん、難しい。

(ユベルが竜になるための手術が始まる)
     十代:何をっ!?
ユベル(前世):う…うあぁ!
(十代が目を背ける。王子が入ってくる)      
     王子:ユベル!
     十代:あれは…オレ!?
     王子:ユベルー!!
(王子と十代の意識がすれ違う)
     十代:そうか…思い出した。
        これは、オレがオレとして生まれてくる前の世界。
        前世のオレと、ユベルの姿だ。
     王子:キミは、ボクを守るために…。
ユベル(前世):いいのです。あなたが子どもから大人になるまで、
        お守りするのがボクの役目なのですから。
     王子:ユベル、約束するよ。
        ボクの愛は、キミだけのものだ。
        誰が何と言おうと、
        ボクはキミだけを愛し続ける。


実はこれ、鵜呑みにすると十代の考えたことは分からなくなるんだと思います。これはあくまで「子どもの約束」なので。TURN-148で「子どもじゃなくなった」十代は、それを思い出して何を思うのか。

   翔:十代…あ。

(雲が薄れて十代が見えるようになる。
 思案顔で俯いている十代の横顔。
 瞳が覇王ではなくなっている。)

  十代:きっと、みんな元の世界に戻れる。
   翔:え…。
  十代:みんなと会えたら、伝えてほしい。
     迷惑をかけてごめんって。
   翔:はっ…まさか。十代、駄目だよ!
     どんなことがあっても、
     犠牲になんかなっちゃいけないんだ!

イエロー:え、何?
(十代が翔を振り向く)
  十代:いやオレは、そんなんじゃないんだ。
     みんなのための犠牲になるわけじゃない。
     オレは、…そう、子どもから大人になるために、
     今から旅に出る。
   翔:え…。

(十代が優しく微笑む)
  十代:ガッチャ!
(十代の姿が強烈な光に変わる)
   翔:十代!うっ…。
(光が広がる)
イエロー:やだ、何よこれ!?
   翔:十代、駄目だ、みんな一緒に帰るんじゃなきゃ、
     嫌だよ…一緒に帰ろうよ!

     (「疑」の文字が浮かび、涙とともに砕け散る)
     返事をしてよ十代!アニキー!!

いつだって「誰かがいなくなること」に耐えられない翔は、仇打ちをした=失ったことをあっさり認めた(ように見えた)十代を疑ったけど、もうそんなの全部関係なく、十代も翔にとって絶対いなくなってほしくない大事な人で。
そして十代が、仲間を失って平気なわけない(仲間のためなら自分を犠牲にしてもいいと思うような人)ってのは、本当は翔の中で最初っから答えは出てて。闘技場で実際その選択をしようとした十代を翔は見てないんですが、翔は見なくても知ってる。だからこそ、脚本は翔にそれを見せない。翔は自分の知っていた十代を、「信じたい十代」を信じて良かったし、その意味で自分を信じて良かった。だけどそれを誰か他人が保証するんじゃ意味がない。それじゃ信じたことにならない。翔が十代と自分を「信じる」ところまで、あくまで自力でたどり着かせるために3期のストーリー構成がある。それは十代もしかりなんですが。もうなんなんだよ武上さん神としか言いようがねぇよ…orz
十代も翔も愛してるよ…orz

いよいよクライマックス、翔との会話の時点で既に十代の目が元に戻っているように、ここから先「覇王」は出てきません。「覇王」の力を使わない「十代」の出す答えとは―?

(光の柱の中)

     十代:ユベル、大丈夫か。
ユベル(女性):ボ、ボクが…。そうか十代、キミの攻撃で…。
        こんなにキミのことを愛しているのに!
ユベル(男性):ミラージュ・シリンダーの発動で
        マジック・クロニクルに魔法力が2個たまった!
        マジック・クロニクル発動!
        さぁ、選ぶがいい、だが分かっているよ。
        トーチ・ゴーレムならまだ可能性が残っていると
        思っているんだろう?
     十代:オレは、「超融合」を選択する。
ユベル(男性):何!?どういうつもりだ、馬鹿にするな!
        トラップ発動!「チェーン・マテリアル」!
        フィールド、デッキ、墓地、手札より、
        レベル1からレベル12のモンスターを選択し、
        融合素材とする!ははははは!!
ユベル(男女):「超融合」発動!
        十二次元宇宙を統一せし超融合神が、
        ここに誕生する!
        そして、十二の宇宙はひとつになり、
        超爆発によって消滅するのだ!
(十二次元に隕石が降る)
   イエロー:え、何、何なの?
      翔:アニキ…。
   クロノス:何なノーネ?
    ヨハン:十代…。(心配そう)
(十代とユベルに)
ユベル(男女):終わりだ!すべてを終わりにすることで、
        ボクはキミのすべての愛を、
        永遠に独り占めすることができる!
     十代:その通りだ。
ユベル(男性):何!?これは!?
     十代:だが、超融合するのは、十二の世界じゃない。
        お前とオレの魂だ!

ユベル(男性):なんだって…!?


ユベルが十二次元世界を巻き込むことを考えついたのは光の波動を受けたから。でも十代の愛を独り占めしたいのは本当。自分の愛はユベルのものだって言ったのは前世の自分。つまり、ユベルがほしいのは、ある意味では「前世の十代の愛」だったりする。
ここでミソなのは、「王子」にとって「ユベルはたった一人の愛しい人」で、「王子が生まれ変わった十代」にとって「ユベルは(子どもの頃の)フェイバリットカード」だってこと。王子は「前世」と言うより、「子どもの十代の化身」と言うほうがしっくり来たり。
だから前世の記憶は、十代が子どもじゃなくなったからこそ思い出すことができたものなんだと思います。というより、子どもの十代が思い出してしまうと、この約束をそのまま受け止めて、それこそ「誰がなんと言おうと」「ユベルが願う」十二次元の超融合を受け入れてしまう。
だけど、子どもじゃなくなった十代は、みんなを巻き込んじゃいけないことを知ってる。誰がなんと言おうと、自分の愛は「ユベルだけ」のもの。その約束を、「誰も巻き込まずに」果たすためには?つまり、
他のみんなも愛しながら、たった一人だけを愛するためにはどうしたらいいか?
冗談みたいな矛盾した命題ですが、十代は本気です。
しかも、「他の誰も巻き込まずに」=「他の誰の力も借りずに」=「ユベルの言ってることも丸飲みせずに」やらないといけません。

     十代:オレは、このカードを発動させていたんだ。
       (「スピリチュアル・フュージョン」のカード)
ユベル(男性):「超融合」にカウンタートラップは通用しないはず。
     十代:「チェーン・マテリアル」に対しての、
        トラップ発動だ。このカードにより、
        融合するモンスターは、オレが選択することができる。
        さあ、ユベル、悲しい魂の旅は終点に着いた。
        もう終わりにしよう、さぁ。

(十代から前世の姿が浮かび上がる)
ユベル(女性):はっ…。
     王子:ボク達が闘わなくちゃいけないのは、
        宇宙を破滅に導く光の波動。
        キミの魂を歪めてしまった、
        光の波動を追い払い、
        覇王十代の魂は、キミに乗り移る。
     十代:もしそれで、
        オレという存在がなくなってしまうとしても、
        オレは構わない。

ユベル(女性):…っ。
     十代:超融合を発動!
(アカデミアの仲間たちを思い出す十代)
     十代:オレとユベルの魂を一つに!
        …っうぁあぁああ!!
(光の中で目を開けるユベル)
ユベル(女性):はっ…。十代…。
(満足げな微笑みを浮かべ、
 抜け殻のようになった十代が、ユベルへと倒れこむ)
ユベル(女性):十代!
(そっと抱きしめるユベル)
ユベル(女性):二つの魂はひとつになって、
        もう決して離れることはないんだね。
        ボクは今、キミの愛と力に包まれている。
        共に、闘おう。宇宙を破滅に導く光の波動と!


…こんな作業しながらじゃ感動もへったくれも〜とか思ってたのに、駄目なんだ…超融合後のシーンでそれでも私は泣いたんだ…。鶴さん最高です…!(涙)
というか、いまさらですが、ユベルと覇王を融合させることは、ユベルの中の光の波動を追い払う方法だったんですね…。既に光の波動と同化してしまったユベルは、外側から攻撃したんじゃ光の波動ごとユベルを倒してしまう。だったらユベルの中で光の波動と闘えばいい。というか、ユベル自身に覇王の力をあげちゃえばいい。
でも魂の融合は十二次元の融合と同じ意味を持ってるから、十代の存在は消えるかもしれない、というか、髪型チェンジとか見ても実際消えてる扱いなんでしょう。でも消えたのは「子どもの十代」で、つまり「前世の十代」で、本当の意味で「王子から十代に生まれ変わった」ということでもあったり。
で、それは十代にとっては、むしろ精霊たちとの別れを意味したんじゃないかな、という気がします。消えた「十代」は、「精霊の世界の住人」だったんじゃないかな、と。逆説的ですが。大人になるってのは、「人間の世界の住人」になることだったのかなと。

…しかしそうすると、4期ラストの遊戯とのデュエルで学ぶのは精霊の世界への里帰りの仕方な気がします(笑)
異世界編で学んだのは「過去」の振り返り方。ペアデュエルで思い出したのは楽しさ=「現在」の生き方。遊戯とのデュエルで思い出したのはワクワク=「未来」の見つめ方。

…と、一度まとめておいてなんですが、いろんな符号が一致しすぎてて、十代とユベルの超融合はまだまだいろんな解釈ができたり。
ユベルは「子どもから大人になる間」の十代を守るためにいたんだから、実は大人の十代には要らない。これは、十代が要らないって言う可能性以外に、ユベル自身が役目が終わったって離れていく可能性でもある。
だけど、王子はそんなこと考えてないし、ユベルも考えてない。覇王とユベルの超融合は、「十代は永遠にユベルのもの」で「ユベルは永遠に十代のもの」にするためのもの、十代がユベルと別れたくないから編み出した選択でもある。十代は、自分の存在を危険にさらしても、ユベルと離れたくなかった。
いやもうほんと奥が深すぎるよ武上さん。

ユベルが何のメタファーになるか考えても楽しい。
ユベル(女性)=十代を守る母/子どもの十代=王子
ユベル(男性)=十代を守る父/大人の十代=覇王
だったりするようなしないような。ちょっとしたメビウスの輪。
ユベルに覇王が乗り移ったから、4期以降にユベル(男性)は出てこない。超融合でユベル(男性)=十代になっちゃったという。…やっぱ文章にするとこんがらがるなぁ(笑)

あ、「他のみんなを愛しながら、たった一人を愛する」の答えは、「ユベルを十代の愛にする」です。「ユベルが十代の愛」。十代が誰かを愛することそのものが「ユベル」。まさに一心同体。
抽象的というか形而上学的というか、哲学的ですねぇ。3期はいわゆる「心象風景」度がマックスなので、現実的な理屈でわかろうとするのは不可能かもしれない(笑)少女革命ウテナならぬ少年革命ジュウダイでほぼ間違いない(笑)しかもテレビ版少女革命ウテナは最終的に「革命されてない」けど、GXは革命しちゃったんだぜ。やったことは劇場版少女革命ウテナなんだぜ。だけど世界は壊れない。偉大すぎる。

■次回予告

十代:ユベル、思い出したよ。お前と共に闘う誓いを。
 翔:行っちゃやだ、アニキ!
   みんな一緒に帰るって約束したじゃないか!
   一緒に帰ろう…!
十代:翔、すまない。
   オレは子どもから大人になるための旅に出るんだ。
   だから一緒には行けない。
 翔:そんな、そんなのって…!
   次回、「十代復活!?新たなる旅立ち」
   アニキ、みんな心から帰ってくるのを待ってるよ。

これが「子どもの十代」の最後のセリフorz
MISSINGなのは十代・亮・三沢・アモン。分かるっちゃ分かるんですが…。
亮はあれですかね、生と死の狭間すぎて写真判定的な何かにひっかかったんですかね。とかちょっと思ってる(爆)三沢は自由意志で異次元残留だと思いますが。
アモンは…アウトだったんだろうな…。…ってまさか、「子どものまま終わった」のがアモンか?…佐藤先生やアモンは、十代の影の部分を担当してる気がします。歯車が狂って救われなかった人達。ギースやコブラなんかもそうですが、切ないです…ほんと彼らは切ないです…。

追記:
ヨハンが異次元に取り残されたとき、アモンもユベルと契約していたからユベルと一緒に異次元に残ってたんですが、エクゾディアの封印を解くことで、アモンはその契約を解除してしまった(TURN-145・149参照)。そして、十代と契約していた(十代に力を貸した)わけでもないから、復活不可なんだと思います。十代が救えるのは、「十代の責任の範囲=ユベルと十代が犯した罪の範囲=十代の力の範囲」なので。
基本は次元の扉を開くのに力を貸した時点で「十代が責任を持たないといけない人リスト」に入る(=十代と契約してる)のですが、三沢はTURN-149で「ここに残る」と宣言=十代との契約を解除しています。なので異次元残留。
そして、エド・亮・クロノス・エコーは巻き込まれ組。普通に考えたらこの四人こそ一番の被害者(笑)ってことなので、無条件で助からないといけない気がするのですが、TURN-145TURN-148とちょっと関わりますが、巻き込まれたポジションだからこそ荒療治ができるという面もあるし、実は巻き込まれた以上は十代の力になるしかないというポジションだったりして(爆)、そんなわけでエドは十代に道を示す(TURN-145)し、クロノス先生は大人として見守ろうとします(TURN-149)。
けれど、エコーはアモンの力になっちゃったから不可。

そして亮はと言えば…確かに十代が立ち直る決定打を与えたんですが、その一方で実は、十代に便乗して自分の願いを叶えたんですよね(笑)
だから、「力を貸した」面もあれば、「力を借りた」部分もある。その貸し借りの相殺後の結果によっては、十代の手に負えない可能性がある。というか、実際に等価交換、「貸し借り無し」になってる可能性が高い。
なのですが…でもつまりあの「願いの叶え方」は、十代と同じ方法なわけで。つまり亮の場合は「サイバネティック・ゾーン」が「子どもから大人になるための答え」だったってことなわけで。(ちなみに亮が「子どもじゃなくなった」のはTURN-83のVS鮫島)
ということは、亮は形式的には十代の旅の道連れになっていた可能性が高い。つまり、
十代が星になって帰ってきたときに亮は海に打ち上げられた!
これしかないと思います!!(笑)

でもじゃあ、足りないはずの力はどこから出したかと考えてみると、
…実は三沢が鍵な感じが…。
三沢はTURN-149で「カイザーもきっとみんなと一緒にいる」みたいなこと言ってくれたのですが、「亮が帰ってこない」って結末が一番嫌なのは十代(翔は嫌とか言えない、あの時点では「勝手にすればいいよもう(涙)」だから・笑)で、三沢はそれを分かってる。
三沢が異世界に残ることを決めたのは「自分の居場所がここにあるから」だけど、つまり三沢が異世界に残った分、十代の力が一人分余ってるから、その余りを使って亮が帰ってきた可能性が高い。
しかも、あの結論は「三沢が子どもから大人になるための答え」でもある。(三沢が子どもじゃなくなったのはTURN-96
「子どもから大人になるための答え」は、「自分のため」と「誰かのため」の一石二鳥が基本です。わざわざ「カイザーも助かる」と十代に言って残ったってことは、誰かが異世界に残らないと亮の帰還は危ういっていうのを、三沢は分かってたんじゃないか?

…これ相当憶測じみてますけど、ユベルの陰謀やら異次元の構造を説明できる三沢は、そこらへんまで分かっても不思議はないような気がして…。
しかも、TURN-148で亮が出した攻撃力16000のサイバー・エンド見たとき、三沢は「ついていけねぇ」って勢いでポカーンとした顔で描かれていたりして。あれではっきり「世界が違う」って悟ったとか言われても私は驚かない。
シナリオスタッフがわざわざ亮を別ルートで帰還させたってことは、別ルートにするだけの理由があったはずで、それが亮と十代の力の貸し借りの事情だとすると、やっぱりそういう設定なんじゃないかって感じがするのですよ…。
…三沢…!君の雄姿を忘れない!!!!(号泣)
っていうかもしそうだとしたらGXはどれだけ隠したら気が済むの!?!?カッコつけすぎだよ!?!?格好良すぎだよ!?!?!?損しすぎだよ!?!?(笑)


次回は単なる総集編ではなく、3期の翔のまとめだったりもするので、「3期ラスト」は次回かもしれないですね。というより、その「翔の結論」と「十代の再起動」が同じ回になってるのが、GXの醍醐味と言うか。決して終わらない物語。

090729/090924/090929
←TURN-154 TURN-156→
 
BACK