TURN-177 恐怖のコンボ! 「虚無と無限」
■本放送:08/03/05
■脚本:吉田伸
■絵コンテ:辻初樹■演出:Lee Kyoung Soo■作画監督:Nam Sung Min
ダークネスのトンデモ設定が明かされる回。

■アバンタイトル

ヨハン:どうなってるんだ。
 十代:大丈夫か、ヨハン。
ヨハン:オレ達は藤原を、ダークネスを倒したんじゃないのか。
 十代:そのはずだ。だが、何も…。
ヨハン:まさか、世界はもう、元に戻らないのか。
 十代:そんな馬鹿な…。


若干諦め気味のヨハンってここでしか見られない気がする。

(藤原をヨハンに任せてアカデミアの中へ様子を見に行った十代が、
 モニター室で見た光景は…)

   十代:そんな…世界中の人が、消えた…!?
(モニターの映像が日蝕に切り替わっていく)
ダークネス:十代、汝、我と決着をつけよ。
   十代:誰だ…。


この後十代が外に戻ると、藤原とヨハンまでダークネスに取り込まれて、完全にほぼ世界に十代一人(例外:ファラオと大徳寺先生/ジムと一心同体っぽかったカレンといい、動物の扱いがよく分からない…・笑)になってるわけですが。
ヨハンがダークネスに取り込まれたの、地味にさっき「もう駄目なのか」って思ったせいなんじゃ…って思わなくもないが考えすぎっぽい(笑)
亮とか旧作キャラとか「あいつら絶望なんてするの!?」な強制収用ルートっぽいキャラも、吹雪方式で絆に引っ張られて取り込まれてるという解釈でどうだろう。あ、でも亮はなんだかんだで翔と心の闇共有なのかもしれない。海馬はきっとモクバ(笑)
というか、記憶消されたらどうにもならないのかもしれないですね。吹雪が思い出せるのは、ダークネスの力使ったことがあるからだし。

■Aパート

   十代:ダークネス、一体お前は何が望みだ!
      この世界を乗っ取ることか!
ダークネス:望み?我に望みなど無い。
      我は理(ことわり)によって動くのみ。
   十代:理だと?
ダークネス:そう、世界の真理、法則と言っていい。

   十代:それじゃ、この世界から皆が消えて、
      お前の元に行ったのも、当たり前のことだってのか!
ダークネス:その通り。
   十代:信じられるか、そんなことが!
ダークネス:汝その者達の苦悩を知らず。
      多くの者にとって、我が世界は大いなる安らぎ。
      その体で知るがいい。

(万丈目・翔・明日香の心の闇が十代に流れ込む)
ダークネス:彼らは既にすべてを捨てた。そこには希望も絶望も無い。
      すべての人間の意識が溶け合った無の中で、
      彼らは永遠に生き、ひとつになる。
      彼らは、その安息を選んだのだよ。
   十代:嘘だ…。

最初のダークネスと十代のやりとり、ほぼ藤原が言ってたのリピートしてるだけだったりする罠。藤原ナイス使い魔。
それにしても「その体で知るがいい」っていうのが入るのが無駄に凄い気がするよ。言葉で「こういう風に苦しんでるんだ」って説明だけだと、経験したことのない人間にとってはどうしてもリアルに想像するのは難しいわけで、真実の苦しみを丸ごと味わえ!っていうこと…だよね…。

ダークネス:真実の始まりはあまりにも遠く、遥かな昔。
      何も存在しない暗闇に、
      最初に一枚のカードが生まれた。
      そして、表と裏が決まり、世界の始まりが訪れた。
      やがてそこに星星は生まれ、そして、
      この世界が築かれ、人間が万物の頂点に立った。
      人間が、世界の起源であるカード、
      デュエルモンスターズを
      見つけることは必然だったと言っていい。

宇宙開闢をまさかカードで説明されるとはさすがに思わなかった。

よく考えるよこんな設定…いろんな意味で(笑)
GXは神話級。(天地創造まで説明した的な意味で)
もともと神話って、事実じゃなくていいから「世界はどうして生まれたの?」「世界はどうやって動いてるの?」って疑問に答えるために作られたものですし。

ダークネス:だが故に、デュエルモンスターズこそ、
      人間の心を測る試金石、心を映す鏡であった。
   十代:心を映す鏡…!
ダークネス:もし、汝の住む世界をカードの表と例えるなら、
      我が世界はその影、闇。
      もしデュエルモンスターズを操るデュエリストたちの心に、
      光が宿り続けていたなら、
      表の世界の安息は約束されていたかもしれん。
      しかし、デュエリストたちの心の多くは闇に染まり、
      我が世界に流れ込んだのだ。
   十代:ふざけるな!じゃあ何か、
      デュエリスト達の心が汚れたから、お前が現れたってのか!
ダークネス:その通り、我に野心は無い。
      多くの闇に塗り込められた力が、我を目覚めさせたのだ。

現実世界を表に例えてなんでダークネスが影と闇なのか教えて下さい(笑)
裏がダークネスってことでいいんだよね?
「心が汚れた」って表現がなんか…まぁダークネスが人間馬鹿にしてるっぽかったからでしょうが、言い換えれば「傷ついた」ってことですかね。「心の闇」は傷ついた心から流れ出る膿が作り出すもうひとつの心だってユベルも言ってたし。
だから逆に言えば、傷つかない人なんていない、ってことなのかな?と思ったり。

ダークネス:我が世界がこの世界に取って代わるのは、
      水が高い場所から低い場所に流れる如く、自然の理。
      言うなれば、我は救世主。
   十代:何が救世主だ。他人の記憶を消し、
      無理やりお前の世界に、引きずり込んだくせに!

ダークネス:流れ出した激流は止められん。我は流れのままに、
      そこに立ちはだかる小さな障害を排除したに過ぎん。
      十代、汝は理解している。
      何ゆえ我が世界に力が与えられたかを。
(TURN-158の斎王の説明回想)
ダークネス:力を持った人間たちは、常に心の闇に落ち、
      デュエルモンスターズの力を悪用してきた。
      汝もその一人。汝が我に力を与えたのだ。
   十代:…だが、これだけは言わせてもらう。
      オレは、お前みたいな奴を呼び覚ますために、
      闇に落ちたんじゃない。
      むしろ、お前みたいな奴を倒すために、
      闇の力を手に入れたんだ!

(十代の目が覇王→ユベルに)

力の悪用に反論しない十代に萌えた。
あーもう!切ない!大好き!がんばって!

ダークネス:汝はデュエルモンスターズの精霊と人間、
      二つの魂を合わせ持つ異物。
      もはや、我が世界で生きるにはふさわしくない魂のようだ。
   十代:なんとでも呼ぶがいい。
      だが、オレがいる限り、この世界は、
      お前なんかには渡さない!
ダークネス:ならば我、汝を滅殺。
      この世界の始まり、デュエルモンスターズで。
   十代:望むところだぜ!
(中略)
  大徳寺:十代くん、気をつけるのニャ。
      そいつはこれまでの相手とは違うニャ。
   十代:分かってるさ。だが、こいつをぶっ倒さなきゃ、
      元の世界は戻ってこない!

ダークネス:汝、我の裁きを受け、永遠に光と影の狭間をさまようがいい。
   十代:来い!

ぶっ倒しても!ぶっ倒しても!という怒りはなんだかんだでヒーロー十代の原動力。
だけどそれは、自分の憂さ晴らしのためじゃなく、大切なものを取り戻すために使わないといけない。
「仇なんて取ってもらっても、みんなは戻って来ない」
 →(だからヒーローのやることじゃない)
「こいつをぶっ倒さなきゃ、元の世界は戻って来ない」
これが正しい使い方ってことですね!

■Bパート

ダークネス:諦めるがいい。既にこの世界で戦えるのは汝一人。
      汝の力を信じる者は誰もいない。
   十代:それがどうした。
      例え一人だろうと…うっ、オレは最後まで…
  ユベル:おいおい、キミ一人ってそれは無いだろう。
   十代:ユベル。
  ユベル:十代、いくらキミが今だに
      能天気な根性無しだとしても、
      まだ倒れるには早すぎる。
   十代:その減らず口は、なんとかならないのか…っ
  ユベル:このボクを忘れるからだ。
      キミは一人なんかじゃない。このボクがついてる。
   十代:そうだったな。オレの中には、オレを信じる、
      もうひとつの魂がある…!


力があるかどうかじゃなくて、力を信じるかどうかが鍵になる。これは例えば、「言っても分かってもらえないだろうな」って思うと、何も言えなくなるのに似てるかもしれません。「伝わる」って信じないと、言葉は使えない。力っていうのは、信じないとあっても使えないものなんだという。
しかし「能天気な根性無し」ってプロファイリング面白いな…(笑)確かに根性は無い。ユベル=味方の存在を忘れる程度に。またやってんかいお前は!という。変わらんなぁ(笑)
あ、この完全な夫婦会話(笑)は、是非音声でお楽しみください☆

(ユベルがダークネスのモンスター効果で相手に
 コントロールを奪われ、ネオスを攻撃させられることに)
 十代:トラップ発動、「アストラルシフト」!
    相手が攻撃した時、その攻撃をプレイヤーへの
    ダイレクトアタックとして、その後、
    カードを一枚ドローする!
(ユベルの攻撃を受け止める十代)
 十代:必ずお前は、取り返すぜ。
ユベル:当たり前だ!
 十代:「アストラルシフト」の効果で、カードドロー!
    …これは。

(中略)
 十代:ダークネス、お前のように、
    理屈だけの奴には、分からないだろうな。
    オレと、こいつが、どれだけの絆でここに立っているかを!
    オレのターン、速攻魔法、超融合!
    手札を一枚墓地へ送り、
    フィールドのモンスターを融合する!
    俺が選ぶのは、ネオス、そして、ユベル!
    現れろ、「ネオス・ワイズマン」!

大徳寺:あれが、十代くんの新しいネオス!
 十代:「ネオス・ワイズマン」がバトルするとき、
    相手モンスターの攻撃力分ダメージを与え、
    さらにそのモンスターの守備力分、オレのライフを回復する。
    いけ!「ネオス・ワイズマン」!偽者をやっつけろ!
    アルティメット・ノヴァ!
大徳寺:やったニャア!十代くんがとうとう逆転したニャ!
 十代:ダークネス、このデュエルで証明してやるぜ。
    整然としたお前の屁理屈より、不恰好でも、
    オレの信じる者達との絆の方が、遥かに真実だとな!
    オレは必ず、この世界の全員を、助け出してみせる!


ダークネス割愛。
「これは」で引いたのは超融合。いつも通り絆パワーのデスティニードロー☆
「アルティメット・ノヴァ」=究☆極☆新☆星。いや、ちょっと書いてみたかっただけ。ネオスとユベルの融合ってのは十代とユベルの魂の融合の再現なわけで、なんだか感慨深いです。今回初めて気づいたんですけど、「ネオス・ワイズマン」ってエレメンタルヒーローじゃないんですね。確認したらやっぱり「レインボー・ネオス」もそうなんですが。十代の力だけじゃ呼び出せないカード、「十代の力+絆の力」ってのがここでも徹底されているんだろうなと思います。
屁理屈云々若干耳に痛いですが(笑)いや私は「絆のほうが遥かに真実」には異存ないですよ!(笑)あと、GXのシナリオスタッフに言われたくない(笑)
あと最初にも触れたんですが、大徳寺先生inファラオは十代の仲間としては完全にカウント外なんですね。幽霊だから?大人だから?演出上はリアクション&解説要員なのは確かです(笑)「新しいネオス!」ってどうしても「新しい顔」を思い出す…(笑)

■次回予告

ユベル:不恰好な絆か、キミらしいな。
 十代:ぶつかりあいながら共に競い合い、
    分かり合ってきた者の証ってことさ!
ユベル:ふふふ、ボクのお蔭で随分賢くなったな十代。
 十代:また、減らず口を…。
ユベル:次回、「最後の希望!遊城十代」
 十代:絶対に、この世界の全員を助け出してみせるぜ!
ユベル:信じるんだ十代。自分の力を、一人になっても…。
 十代:任せろユベル、ダークネスはオレが絶対に―!


なんかこの次回予告、十代がぎこちない感じで個人的にラブ度が上がってるように聞こえます(妄想)
ほんと十代は随分賢くなりましたよね!(笑)
ユベルがフラグ立ててますが、必要な展開だと思います。
十代の、みんなの本当の「自立」のために。

090901
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