Duelist

「うっ…く…っ」
 胸の辺りを押さえて、亮はうずくまった。
「はぁ…っ、はっ…」
 心臓が締め付けられる痛み、苦しみ。
「尋常じゃない…な…」
 額に汗を浮かべながら、自嘲気味に笑う。
「……これが…代償、か…?」
 勝利を求めて、闇へとこの身を堕とした。
 一度完全に失った勝利は、抗いがたい力で自分を惹きつけたから。
 勝っても勝っても、足りない。
 その渇きの突き動かすままに、他人をも傷つけて勝利をもぎ取ってきた。
 それが悪だと言われれば、そんなことは分かっているとしか言えない。
 ただ立ち止まれなかった、そして進める道はあの時ひとつだけだった。
 あのどん底で、初めて思い知らされたのだ。

「…オレは、決闘者(デュエリスト)だ」

 すべての答えは、決闘(デュエル)の中に。
 
 070817

 
そんな感じかなって。
“今を生きる”のは、なかなかに難しい。

 
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