■ 限定解除 ■

「ボクはみんなのアイドルだけど、亮のアイドルじゃないからね」
「………」
 どういう意味だ、と簡単に聞き返すのも癪なのか、思案顔で見つめる亮。
「分からない?」
 微笑む吹雪は、分からないことが悪いとは思っていないようだった。
 正直ますます分からない。
(オレだから分からない…のか?)
「アイドルっていうのはね―」
 言いながら贈られたのは、随分と優雅な口付け。
 あまりに自然すぎて眩暈がしそうだった。
 さらりとした感触だけが残って―
「―壁がないと駄目なのさ」
 ―物足りないと思ったのは、どうやら間違いではないらしい。

 080121
++++
どういう流れで最初の一言が出てきたのか謎。
意味伝わるかなこれ…。
誘い受けの亮吹って言っても怒られなさそう??


 ■ ETERNAL SNOW ■

 何度越えたか分からない夜を越えて、今日もまた灯台の下で立ちつくす。
 誰にも言えず閉じ込めた想いは、いっそ消えてくれればと思うのに、今や自分と彼の妹二人だけしか彼を待っていないような錯覚に陥るこの島で、膨らんでいくばかりだった。
 言えなかった。
 言えるはずがなかった。
 彼が目の前から消え去るそのときまで、その感情を認めることさえできなかったから。
 半身を奪われたような感覚に打ちのめされて、やっと―彼を好きだと、認めるしかなくなった。
「―っ…」
 涙がこぼれそうになって、とっさに目を覆った右手はやけに冷たく感じた。
「くそ…」
 悪態をついても変わらない。
 嗚咽がこみ上げる。
「…帰って来い…吹雪…」

 080126
++++++
満月をさがしてEDより。タイトルがなんか亮で吹雪☆
命令形でしゃべるカイザーは受けなのか攻めなのか。なにせ元ネタが少女漫画ソングなので受けくさいけど。っていうかツンデレっぽい…?


 ■ LOVE A RIDDLE ■

 誰かに話してしまうと
 消えてしまいそうな恋だから
 二人きり過ごす時間が
 大切な宝物

「恋というものは繊細で、その正体は見えにくい。ボクが今キミに持つ感情が恋かどうか、本当は誰にも分からないのかもしれない。…だけど、ボクはキミといたいと思うし、キミを抱きしめていると安心する。キミが笑うと嬉しくて、離れてキミを思うなら、幸せであるようにと願う。例えばこうして抱き合う関係がなくなったとしても、それはきっと変わらない。これは、愛と言ってもいいとは思わないかい?」
「…よく言えるな、そういうセリフ…」
 照れとか気恥ずかしさとかそういうものはないんだろうか、と半ば呆れつつも、結局は感心している亮に、吹雪は苦笑する。
「これでも悩んだからね」
 そんな吹雪を見て、亮は告白されたときのことを思い出していた。その頃の吹雪は相当不安定で、実際のそれは告白と言うには“言ってしまった”感が強かった。そしてそこからが、亮の悩む番だったわけで。
「……オレも多分、同じようなものだとは…思う」
 それが今、亮に言える精一杯だった。
「…キス、していいか」
「もちろん」

 080201
++++
おねがい☆ティーチャー最終回EDより。だいぶ遠いけど(笑)
元の歌詞には「日に日に増してく独占欲が辛いよ」とかもありますがこの吹雪さんは独占欲とか超越してそうなのでその辺は亮担当で(笑)
47話の吹雪「恋というのは繊細で、その正体は見えにくい」とTF2の吹雪の自称「恋の探求者、そして愛の伝道者」が好きすぎてならない。

 
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