DUAL


「吹雪」
 母なる闇の中で呼ばれたその名は、自分のものであって自分のものではない。
 けれどその声に、応えるように自分の声が名を紡ぐ。
「…藤原」
 目の前で微笑む顔は多分、優しいと言っていいのだろう。
「何故私が、貴様を知っている?」
「分かっているはずだろう?」
 差し伸べられた手が、頬をなでる。
 ひんやりと心地いい、闇の感触。
「………」
「どうしたい?」
 近距離で見る、妖艶な微笑。
「…黙れ」
「仰せのままに」
 踊らされている感覚のまま、その唇に口付けた。
 
 081128
 090122(日記転載)

 
ダークネスとしての格はダークネス藤原>ダークネス吹雪だと思う。
3列しか違わない藤吹版

 
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