DUAL


「吹雪」
 母なる闇の中で呼ばれたその名は、自分のものであって自分のものではない。
 けれどその声に、応えるように自分の声が名を紡ぐ。
「…藤原」
 目の前で微笑む顔は多分、優しいと言っていいのだろう。
「何故私が、貴様を知っている?」
「分かっているはずだろう?」
 差し伸べられた手が、頬をなでる。
 ひんやりと心地いい、闇の感触。
「………」
「どうしてほしい?」
 近距離で見る、妖艶な微笑。
 何もかも委ねるように、瞳を閉じた。
「…好きにしろ」
「仰せのままに」
 
 081128
 090122(日記転載)

 
『I&I/DARKNESS』書く前の一番最初の思いつき。
ダークネスとして一体化してる藤原と吹雪ってお互いに幻想を抱いてる/幻想に抱かれてる状態なんじゃないかという(分かりにくくてすみません)
ダークネス吹雪「(藤原一人救えない自分なんか世界ごと)燃やし尽くしてやる、何もかもな!」
なんだと思い始めた。
()内は藤原がダークネスと一体化してるせいで消えてる記憶(心の闇)。
これだとほんとにちょっといじるだけで作れるなと思ったので、試しに
3列しか違わない吹藤版作ってみた。

 
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