aftercare


 結局、亮と吹雪は藤原との間にあったことまで含めて鮎川に説明することになった。その結果、かなりディープな教育的指導を受けることになったのだが、それは非常に寛大な処置と言うべきだろう。実質、今回の事件自体については、全員お咎めなしだったからだ。
「あなた達の結論は、一番良い解決だと思うから」
 外野が水を差していいものでもないだろうというのが、鮎川の判断だった。
「あの…本当に、いいんですか?」
 そう尋ねたのは吹雪だ。この結末を一番望んでいたのが自分だからこそ、少なからず責任を感じるのだろう。
「色々言ったけれど、あなた達を信用するわ。あんな風に本音で仲直りするなんて、なかなかできないことよ。…皆優しすぎて、それは少し心配だけどね」
 そう言って苦笑すると、鮎川は表情を引き締めて言った。
「いい?今日の仲直りは、大きな手術を終えたようなものよ。三人とも、当分は心が疲労しているし、もしかしたら傷痕はずっと残るかもしれない。だからくれぐれも、無理はしないで。何か辛いことや不安なことがあったら、いつでも相談に来てちょうだい」
「はい」
「ありがとうございます」
 二人して答えた声に、鮎川はにっこりと笑った。
「いいえ、どういたしまして」


一人で考えすぎて暴走した藤原と、全部抱えて閉じこもりかけた吹雪と、一人で頑張り過ぎな亮を見て、心配にならない大人はいないと思う(真顔)

 
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